2017年5月30日火曜日

SRX-600 FI システム変遷2

Ver.3以降のまとめ。

Ver.3 (2016.01~2017.03) 
 ECU:MICROTEC M232R
 ハード関係はVer.2から転用
Ver.2までで燃料噴射のみの傾向は大体つかんだので,点火系の電子制御化ともろもろ制御項目の追加を目的に制御系の換装に着手。

今どきのECUを入れるにあたって最大のネックはSRXのACGだとクランク角センサー用の突起が少ないこと。
これはヤマハの他機種用ACG流用で解決。

セットのステーターもそのまま使えたので,結果的にFI化による消費電力の増大も同時に解決できた。

ECUは汎用ECUが世の中に山のようにあるし,性能も値段もピンキリなので,こんな条件で選定した。
 ①防水・耐震設計であること
 ②負荷軸・回転軸の刻みや最大値を自由に設定できる
 ③MAPセンサーでの行程判別,シーケンシャル噴射・点火
 ④O2センサーでのフィードバック制御
 ⑤クランクアングル信号「12-1歯」に対応
 ⑥ENG・外気温度,気圧等に対する補正
 ⑦燃料噴射・点火時期のギアマップ制御
 ⑧車速からギアポジションの割り出し
 ⑨将来的なTBW化に対応ができる
4輪用のECUだと値段は安くて機能が多いものの,大体①・③・⑤が対応出来ない。
2輪用の汎用ECUでこれを全部満たせそうなのが2015年の段階ではMICROTECかGETぐらいしか見当たらなかった。
当時GETはオフ車用のフルコンぐらいしか装着事例が見つからず,代理店も良くわからなかったのでMICROTECに決定。

ここからの履歴はブログ記載があるので省略。

Ver.4 (2017.03~)
 ECU:MICROTEC M232R + M282
 スロットルボディ:KTM DUKE690
Ver.3にスロットルコントロールモジュールを追加してTBW化。
現在進行中。

FI化まとめ(暫定版)
キャブから電子制御化をやってみて,元より確実に車両は良くなっているし,「FIにしたらどうなるんだろう?」という興味本位のネタ,自分の勉強としては非常に満足。

でも正直他人には勧められないなーと。
理由は色々あるものの,一番は「時間も手間もお金もすごくかかる」から。

Ver.2以降はほぼ自分で作業しているから時間と手間はタダだけれど,それでもECUやらスロットルボディやら燃料ポンプやらのハードパーツ,コネクターや配線の電装資材,セッティング用のPCとかもろもろ考えるとかなりの金額。
キャブはかなり適当でもエンジン掛けてアイドリングはできたりするけれど,FIだと全部の項目に適正な値を入れないとエンジンかかるどころか初爆すら来ない。
データがある車両ならともかく,何もないところスタートだとエンジン掛けてアイドリングして発進するまでのセッティングでかなり時間がかかる。
これをどこかの店に依頼したら工賃込みだといくらになるんだろう…というか,商売にならないから金額以前にやってくれない気がする。少なくとも自分は仕事としてはいくら積まれてもやりたくない。

そのぐらい手間とお金がかかっても見た目にほとんど変わらない。
乗りやすくなる方向には確実に良くなるけれど,パワーがすごく増えて世界が変わるわけでも人に自慢できるわけでもない。
どうせお金掛けるなら倒立フォーク入れる方が見た目に「やった感」は出るし,エンジン開けてボアアップ+排気量アップの方が数字上のパワーは出る。

自分は劇的に見た目が変わるとか数字上のパワーとかに興味があまり無いからそれでもいいけれど,やっぱりカスタムする以上そういうのって大事という気持ちも分かるので,この手のネタは一般化しないだろうなと思う。


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