2017年10月10日火曜日

フレンチローストのアメリカンコーヒー的な何か

ちょっと前の話。
NUDAが車検で1週間ほどお店に預けているタイミングで,一日とある車両が借りられる機会があったので折角だから色々な所に行ってみた。


借りた車両はこれ。

ドゥカティのスクランブラー・カフェレーサー。
名前は何だか複雑な気持ちになるものの,見た目は抜群にカッコいい。モダンなんだけれど雰囲気はクラシカルで個人的にはとても好み。

元々ドゥカティのスクランブラーシリーズは出た時から肩肘張ってないユルい感じがとても好印象で気になっていたんだけれど,タイヤサイズが18インチであまり選択肢がないので買うことは無いかなぁと思っていた。
カフェレーサーではわざわざホイールを専用品にしてまで17インチ化されていて,スリムな車体に180幅のタイヤが入った後ろ姿は「タイヤ超太ぇ」の一言。
太けりゃ良いってもんじゃないのは分かっていても,やっぱり太いタイヤはカッコいいよねぇ…。

そんなこんなで結構わくわくしながら乗って帰った。
ツーリング200㎞含めて250㎞ほど乗ってよかった点。
 ①街中でも扱いやすいエンジン特性。
 ②とにかくカッコいい。どこに置いても絵になる見た目。
 ③意外といい燃費。
気になったところをざっくり箇条書きで書くとこんな感じ。
 ①太もも辺りがとにかく熱い。いっそ熱いを通り越して痛いぐらい熱い。
 ②車体の立ちがやたら強くて車体がバンクしない。
 ③タンク形状がつるっと丸くてニーグリップできない。
 ④ハンドルが低くて妙に広い。ステップが下に遠い。シートが高い。
 ⑤上2つのせいでブレーキ時に体のホールドをする方法が無い。
 ⑥シートが硬くて幅狭いので尻に厳しい。
思いのほか難点が多くなってるけれど,実際すごく難物だった。
スタンダードスクランブラーに17インチ履かせた緩く楽しいスポーツバイクを期待していたので,正直かなり肩透かしを喰らった印象。

熱いのは本当にシャレにならんくらい熱いので皮パン必須。VFR800とかビューエルが可愛く思えるぐらい熱い。
体のホールド効かない形状とバンクしない車体特性で正直コーナーリングは楽しくない。
下りのヘアピンは苦行の1人ガマン大会状態。
峠道走っていると,速度自体はそれなりに乗ってるものの,あんまり楽しいとか気持ちいいとかではない感じ。

場所とか乗り方とか変えて色々乗ってみたけれど,一番気持ちよくて良いなぁと思ったのは,「空いた直線を淡々と走っている時」だった。
エンジン特性と適度に聞こえる排気音が心地よくて,こういう状況だとすごく良い感じ。
夜中に海沿いの道走って,自販機でコーヒー買って飲みながらバイク眺める,とか見た目もカッコいいから最高だと思う。

結局,「ドゥカティのロードバイクだから良く走るはず」っていう先入観があると微妙な評価になるのかなぁと。
これはスタンダードのスクランブラーに改造費40万円かけてつくったカスタムバイクだと思うと,結構良くできてると思う。
17インチタイヤ・ホイール,セパハン,シート,カウル,マフラー合わせて40万円なら部品代としてみても安いと思うし。
感覚的に近いのはSRをショップでカフェレーサー仕様にしたカスタムバイクとか。
多少乗りにくくてもとりあえず普通に乗ることはできるし,見た目はカッコいいし。何処かのショップが車体+40万円で作って売ってたとしたら十分まとまってるなぁと。
そもそもカフェレーサーなんてガマンしてカッコつけて乗る乗り物なんだから,ある意味これで正しいのかもしれない。

スクランブラーシリーズ自体が今までのドゥカティとはちょっと毛色が違うので,良く走るのが欲しければ同じエンジンのモンスターかSSを買え,ってことなんじゃないかなぁ。

個人的な総評:この見た目が気に入ってこれしかないと思うなら細かいことを気にせずに買うバイク。
「ドゥカティ=走り」だと思う人は素直にモンスター買いましょう。

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